記憶シュレッダー
《浩太:そっか、よかったな!》


《敦子:心配してくれてありがとう》


《浩太:ほんと、心配で近くまで来たんだけど》


その文面にあたしは目を丸くした。


「近くまで来たって、まさか近所にいるってこと!?」


そばにいない相手へ向けて焦りの質問をする。


しかし、当然返事が聞こえてくるはずがない。


あたしはスマホを右手持ったまま、どう返事をしようかと部屋の中をグルグル歩きまわる。


《浩太:今から行ってもいい?》


「ひゃっ!」


浩太からのメッセージに体がカッと熱くなるのを感じた。


そうだよね。


近くまで来てるんだったら、そうなるよね!?
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