記憶シュレッダー
思い出して途端に胸の奥にナマリを埋め込まれた気分になった。


「そんなに落ち込んだ顔すんなって。俺だって今回のテストは無理だったと思うし」


「そうなんだ?」


「そうだよ。それに、今の結果がダメでも、また頑張ればいいだろ」


「うん……そうだよね」


あたしはどうにかほほ笑むことができた。


「一緒に受験勉強頑張ろうぜ」


それってどういう意味だろう?


深い意味があるのかな?


そう思ったけれどなにも聞くことができないまま、登校時間になったのだった。
< 49 / 213 >

この作品をシェア

pagetop