記憶シュレッダー
☆☆☆

それから数時間後、あたしの手元にテスト結果が戻ってきていた。


第一志望の高校の結果を見て、愕然とする。


あたしが狙っている高校は地元の女の子たちがよく行く元女子高で、偏差値はそれほど高くない。


普通より少しだけ高いくらいで、余裕で目指せる子は数多くいる。


それなのに……。


戻ってきた用紙に書かれていたのはD判定だったのだ。


これが受験結果だとしたら、あたしは落ちていることになる。


そう考えて背筋が寒くなった。


一応滑り止めで私立高校も受験するけれど、私立となるとかなりお金がかかってしまい、お祖父ちゃんへの負担が増える。


入院中のお祖父ちゃんにそんなことは頼めるわけもなかった。


「どうしよう……」


試験結果を握りしめ、思わず机に突っ伏した。


大きなため息を吐きだして、悪い結果を頭の中からかき消そうとする。
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