記憶シュレッダー
「由香里はその人に告白とかするの?」


気を取り直して質問すると、由香里は驚いたように目を見開き、それから真っ赤になってしまった。


「なになに!? 告白するの!?」


蒔絵が一瞬にして元気を取り戻し、がっつくようにして質問する。


「ま、まだわからないよ? でも、今度の週末2人で勉強することになったの」


真っ赤な顔でうつむき、モジモジと答える由香里はまさに恋する乙女だ。


女のあたしでさえ可愛いと思う。


「そっかー! じゃあ、その時が勝負?」


「そ、それはまだわからないってば!」


蒔絵の言葉に由香里は慌てている。


あたしはそんな2人を尻目に、浩太へ視線を向けた。


友人らとふざけ合って騒いでいる姿に胸がキュンッと鳴る。


浩太に告白できたら。


一緒に受験勉強を頑張れたらどれだけいいだろう……。


そんな、甘い幻想を抱いたのだった。

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