最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
「ところで、一絵さんはいつから社長のことが好きだったんですか?」
「へっ!?」
唐突でストレートな質問に動揺して、思わず間抜けな声を上げてしまった。彼は「すみません、個人的に興味があって」と言い、無邪気に笑う。
今の口ぶりからして、私が慧さんを好きだってことは確信していたのよね? なんでバレていたんだろう……鋭い。
でもそう聞かれると、いつから恋をしていたのかは明確ではないかも。
「いつからだったんだろう。少なくとも、結婚が決まったときには、もう……」
思案しながら答えようとしたものの、頬が熱くなって口をつぐんだ。普段、瀬在さんとは恋愛話などしないから恥ずかしい。
皆まで言わなくても彼はわかったらしく、微笑ましげに唇を弓なりにして頷く。
「そうでしたか。あの人、本当にもったいないことしてたんだな。政略結婚の相手が自分を愛してくれている女性なんて、幸せなことだろうに」
少々呆れ気味な調子でそうこぼした彼は、コピー用紙をしまい終えて立ち上がった。
私から紙袋とバッグを受け取ると、どこか神妙な瞳で私を見つめて口を開く。
「慧さんは自信家のように見えて、意外と弱い部分もあるんです。不器用だからなかなかさらけ出さないと思うけど、そのときは一絵さんが包み込んであげてくださいね」
「へっ!?」
唐突でストレートな質問に動揺して、思わず間抜けな声を上げてしまった。彼は「すみません、個人的に興味があって」と言い、無邪気に笑う。
今の口ぶりからして、私が慧さんを好きだってことは確信していたのよね? なんでバレていたんだろう……鋭い。
でもそう聞かれると、いつから恋をしていたのかは明確ではないかも。
「いつからだったんだろう。少なくとも、結婚が決まったときには、もう……」
思案しながら答えようとしたものの、頬が熱くなって口をつぐんだ。普段、瀬在さんとは恋愛話などしないから恥ずかしい。
皆まで言わなくても彼はわかったらしく、微笑ましげに唇を弓なりにして頷く。
「そうでしたか。あの人、本当にもったいないことしてたんだな。政略結婚の相手が自分を愛してくれている女性なんて、幸せなことだろうに」
少々呆れ気味な調子でそうこぼした彼は、コピー用紙をしまい終えて立ち上がった。
私から紙袋とバッグを受け取ると、どこか神妙な瞳で私を見つめて口を開く。
「慧さんは自信家のように見えて、意外と弱い部分もあるんです。不器用だからなかなかさらけ出さないと思うけど、そのときは一絵さんが包み込んであげてくださいね」