最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
増田部長共々固まっていると、慧さんはタブレットの画面をこちらに向けた。そこには見慣れたページが映っている。
「ユーフォリック・モードのイベント告知ページ、君の担当だよな? 開催日の曜日が間違っているぞ。それに、商品のリンクが抜けている」
「えっ」
慌ててポケットからスマホを取り出してカレンダーを確認すると、確かに慧さんの言う通りだ。リンクのアクションボタンも設置できていない。
いけない、うっかりしていた……!
「すみません! すぐに修正します」
「リリース前でよかったが、こんな初歩的なミスをされては困る。十分注意してくれ」
「はい、申し訳ありません……!」
厳しい声色の彼に、私はペコペコと頭を下げる。忠告だけしてあっという間に去っていく彼を見送り、ひとつため息を吐き出した。
ミスをしたことはもちろん、慧さんに注意されてしまったことにも落胆していると、増田部長がぽつりと呟く。
「……冷たいなぁ、奥さんなのに」
そのひとことが胸に刺さり、チクリと痛んだ。慧さんは、会社では私を一社員として扱っているのを承知しているとはいえ、はっきり言われると少し切ない。
「ユーフォリック・モードのイベント告知ページ、君の担当だよな? 開催日の曜日が間違っているぞ。それに、商品のリンクが抜けている」
「えっ」
慌ててポケットからスマホを取り出してカレンダーを確認すると、確かに慧さんの言う通りだ。リンクのアクションボタンも設置できていない。
いけない、うっかりしていた……!
「すみません! すぐに修正します」
「リリース前でよかったが、こんな初歩的なミスをされては困る。十分注意してくれ」
「はい、申し訳ありません……!」
厳しい声色の彼に、私はペコペコと頭を下げる。忠告だけしてあっという間に去っていく彼を見送り、ひとつため息を吐き出した。
ミスをしたことはもちろん、慧さんに注意されてしまったことにも落胆していると、増田部長がぽつりと呟く。
「……冷たいなぁ、奥さんなのに」
そのひとことが胸に刺さり、チクリと痛んだ。慧さんは、会社では私を一社員として扱っているのを承知しているとはいえ、はっきり言われると少し切ない。