最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
さっそくランチをいただきながら、私も質問してみる。
「じゃあ、ご主人も銀行の方ですか?」
「ううん、普通の会社員。……というか、まだ〝主人〟ではないんだけど」
はにかみつつも少し言いづらそうに口にされた言葉で、彼女は結婚する前に赤ちゃんを授かったのだろうとすぐに理解した。
幸せが一気にやってくるんだなと思うと、こちらまで気分が明るくなる。
「これから籍を入れるんですね。ダブルでめでたい!」
「あはは、ありがとう」
小さく手を叩いて祝福する私に、菫さんはおかしそうに笑う。
ところが、徐々に愛らしい笑顔に心なしか影を落とし、「幸せになれたらいいな……」と呟いた。
その様子がほんの少し気になったものの、彼女はすぐに明るさを取り戻して食事を進める。
妊娠には、多かれ少なかれ誰でも不安を抱えるはず。授かり婚となると、さらにいろいろな問題があるのかもしれない。
さすがにそこまでは踏み込まないでおこうと、私もフォークを動かし始めた。しばし創作料理を味わってから、菫さんが和やかに新たな質問をする。
「じゃあ、ご主人も銀行の方ですか?」
「ううん、普通の会社員。……というか、まだ〝主人〟ではないんだけど」
はにかみつつも少し言いづらそうに口にされた言葉で、彼女は結婚する前に赤ちゃんを授かったのだろうとすぐに理解した。
幸せが一気にやってくるんだなと思うと、こちらまで気分が明るくなる。
「これから籍を入れるんですね。ダブルでめでたい!」
「あはは、ありがとう」
小さく手を叩いて祝福する私に、菫さんはおかしそうに笑う。
ところが、徐々に愛らしい笑顔に心なしか影を落とし、「幸せになれたらいいな……」と呟いた。
その様子がほんの少し気になったものの、彼女はすぐに明るさを取り戻して食事を進める。
妊娠には、多かれ少なかれ誰でも不安を抱えるはず。授かり婚となると、さらにいろいろな問題があるのかもしれない。
さすがにそこまでは踏み込まないでおこうと、私もフォークを動かし始めた。しばし創作料理を味わってから、菫さんが和やかに新たな質問をする。