最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
ところが、キスに必死に応えようとして息継ぎを忘れていた私は、だんだん苦しくなって彼の胸をトントンと叩く。唇を解放され、呼吸ができてホッとすると同時に、力が抜けてよろけてしまった。

慧さんはしっかりと腰を抱き、「もう溺れたのか」と余裕の笑みを浮かべる。そして私を支えたまま歩き出し、リビングを出て寝室のドアを開けた。

クイーンサイズのベッドが目に入り、心拍数が急上昇する。こうなることを自分から願ったのに、いざとなると緊張で死にそうだ。

ベッドに座らされ、ためらう間もなく優しく倒される。心地よい弾力のマットに背中が沈み、慧さんが私の横に片手をついた。

彼はもう片方の骨張った手でネクタイを緩めながら、私を見下ろして問いかける。


「さて、どうやって抱かれたい?」


色気がありすぎる仕草にときめいていたら、とんでもない質問が投げられてギョッとする。


「そっ、そんなこと処女に聞かないでくださいよ!」
「初めてなんだし、いい思い出にしてやりたいんだよ。理想があるなら言ってみろ。優しくされたいとか、実はアブノーマルなプレイをしてみたいとか、たくさんイかせてほしいとか」
「ぎゃー!」
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