最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
「え……どうして?」
「最近たまたま知り合ったんですけど、慧さんのことを知っていそうだったので、気になっちゃって」
瀬在さんこそは口を割らせたいと、私は険しくした顔をずいっと近づける。
「正直に、お答えください」
「一絵さん怖い」
身体を後ろに反らせて引き気味になっている彼は、ちょっぴり情けない声を出して歪んだ笑みを浮かべた。
結局、私の勢いに押されたらしい。腕を組んで迷っていた彼だが、ひとつ諦めたような息を吐き出して口を開く。
「大学時代に慧さんと親しくしていた方ですが、それ以降はなんの関わりもないはずですよ。あまり気になさらないほうが」
大学時代……予想通り、ふたりは知り合いだったんだ。
「やっぱりそうなんですね……」と頷きつつ、目線は徐々に落ちていった。
確信できたのにスッキリはせず、むしろモヤモヤが膨れていく。嘘をつくほどなにがあったのか、〝親しく〟というのはどの程度なのか。
そして、SNSの犯人は菫さんなのか……。
まだまだ疑問が渦巻き、お腹の中では赤ちゃんが窮屈そうにぐにぐにと動いていて、心も身体も一層苦しくなった。
「最近たまたま知り合ったんですけど、慧さんのことを知っていそうだったので、気になっちゃって」
瀬在さんこそは口を割らせたいと、私は険しくした顔をずいっと近づける。
「正直に、お答えください」
「一絵さん怖い」
身体を後ろに反らせて引き気味になっている彼は、ちょっぴり情けない声を出して歪んだ笑みを浮かべた。
結局、私の勢いに押されたらしい。腕を組んで迷っていた彼だが、ひとつ諦めたような息を吐き出して口を開く。
「大学時代に慧さんと親しくしていた方ですが、それ以降はなんの関わりもないはずですよ。あまり気になさらないほうが」
大学時代……予想通り、ふたりは知り合いだったんだ。
「やっぱりそうなんですね……」と頷きつつ、目線は徐々に落ちていった。
確信できたのにスッキリはせず、むしろモヤモヤが膨れていく。嘘をつくほどなにがあったのか、〝親しく〟というのはどの程度なのか。
そして、SNSの犯人は菫さんなのか……。
まだまだ疑問が渦巻き、お腹の中では赤ちゃんが窮屈そうにぐにぐにと動いていて、心も身体も一層苦しくなった。