最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
私を見つめる慧さんの瞳に、獣のような鋭い光が宿る。


「じゃあ、たっぷり可愛がることにする」


瞳の力強さとは裏腹に、口からこぼれたのはとびきり甘い言葉。

胸がきゅうっと締めつけられた直後、熱いキスが夏の夕立のごとく激しく降り注ぎ、私は身を委ねて瞳を閉じた。

素肌は余すことなく暴かれ、ひとつひとつ、私の反応を確かめながら隈なく愛撫される。私の理性は砂で固めていたのかと思うほどすぐに崩れだし、ただただ抑えきれない声を漏らすことしかできない。

慧さんは私のあらゆるところに舌を這わせ、蜜を吸って、まるで熟した果実を食べているかのように「美味しい」と囁く。

自分をこんなふうに味わわれるものとは思わなかった。初めてなのに、自分でもわかるくらい蜜が滴っているのも、尋常じゃなく恥ずかしくて心臓が壊れそうだ。

やがてひとつになる瞬間も、私の中は決して彼を拒まない。


「俺を、喜んで迎え入れてくれてるみたいだな」
「んっ、そ、んな……ああっ」


慧さんは、引き締まった身体を打ちつけて私を揺さぶりながらそんなふうに言い、どこか嬉しそうに微笑む。
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