最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
翌日も大阪での予定をこなしてから横浜へ戻った俺は、寄り道せずマンションに帰宅した。あれこれ買った評判の土産を手にして。
部屋に入ると、一絵はよっぽど疲れたのか、珍しくソファで眠っていた。起こすのを少々ためらうも、彼女の笑顔が見たい欲求のほうが勝って呼びかける。
ところが、俺に気づいてがばっと上体を起こした彼女は、途端に苦しそうな表情に変わり口元に手を当てた。具合が悪いことはすぐにわかり、ひとまず再びソファに寝かせる。
胃腸にくる風邪かなにかだろうか。こういうときは無理に食べさせないほうがいいよな。とりあえず水分だけは摂るようにしなければ。
心配でたまらなくなりながら、慣れない看病をし始める。テーブルにマグカップを置くと、一絵がか弱い声で俺を呼んだ。
視線を合わせた彼女の口から飛び出したのは、驚愕のひとこと。