独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
「や、小田切、せん、せ……」
ちゅ、ちゅ、と何度もキスの雨を降らせながら、彼の手がスカートの中に忍び込んでくるのが分かった。自分以外、誰にも触れられたことのない太股を、大きな手がゆっくりと這う。
恥ずかしいうえくすぐったくて、私は必死で身をよじった。
「まだ、くすぐったいか……。ここはどう?」
「んっ……」
首筋を、ぺろ、と彼の舌が舐め上げた。得体のしれない感覚がぞくぞくっ、と背筋を走って、思わず変な声が出る。
小田切先生は私の反応にクスッと笑みをこぼし、首筋をたどって耳の方まで舌を滑らせると、耳朶にそっと歯を立て、甘噛みした。
「ひゃっ」
か、噛まれた……!?
なにも知らない私はそんな戯れ方があるのかと驚くが、彼はそのまま私の耳をおいしそうに食んだり、甘い吐息を吹き込み、鼓膜を震わせたりする。
私のスカスカな性知識では、裸になって胸を揉まれたりするのがいわゆる前戯というやつだと思っていた。
しかし、まだ服は一枚も脱いでいないし、彼が触れてくるのは、耳や首筋、太股だけ。
なのに、どうしてだろう。脳みそがトロトロになって、体の芯が熱い……。