独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
若い女性ナースが三人。そのうちのひとりは、少し前に小田切先生を懇親会に誘っていた、脳神経外科のナースだった。
しかし、そんな噂どこから……?
「だって、本人が言ってたんだもん! こないだの懇親会には結局来てくれなかったから、四月に新人が入った時には改めて歓迎会やりましょうねって言ったら、『奥さんがいいって言ったらね』って……!」
「えーっ! ショックすぎる……!」
「奥さんはどんな人かって聞いた!?」
ひとりのナースが、ものすごい形相で脳外のナースに詰め寄る。
小田切先生、まさか、私だとは明かしていないでしょうね……? というか、私だってまだ正式に奥さんになったわけでは……。
ハラハラしながらナースたちの会話に聞き耳を立てていると、脳外のナースが悲哀をたたえた声で言った。
「『結婚なんか興味なかった俺の気持ちを変えた、すごくかわいい人』って……」
「いやぁぁ、私、信じない~っ!」
「どこの誰なのか、追加調査を命じる! その女、私たちの癒しを奪った罪は重いんだから!」