背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「この度は、ご厚意に甘えてしまって、すみません」


 母が頭を下げたので、私も続いて頭を下げる。

「自分の家だと思って遠慮しないでね」

 その女性の声に顔を上げた。

 えっ?
 誰だっけ? 
 このおばさん見た事あるなぁ。


 玄関にはおばさんの靴らしき物の他に、男物の靴が二足並んでいた。他にも誰か居るようだ。
 おばさんに続き、父と母と一緒にリビングへと入った。

「どうもどうも、お待ちしておりました」

 男の人の声がする。


 無駄なものない、綺麗に片付いたリビングを見渡した。


「うへぇっ!」
「うへぇっ!」

 
 その顔を見た瞬間変な声が出てしまった。

 だが、変な声を出したのは私だけでない。
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