背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 姉ちゃんと母が、俺の事をネタに盛り上がっている。

 ため息交じりに、小さく落とした肩をポンと叩かれた。

「親父……」

「悠麻、あきらめろ」

「マジかよ……」

「大丈夫だ……」

「何がだよ?」


 俺は親父を睨むように見た。


「結構いい女らしいぞ! 胸も大きいいし、腰がキュッと引き締まっておってな……」


「おい…… 何言ってんだよ……」


「康介が言っておった」


「うらやましい……」 

 このエロ爺。


 康介さんの方を見ると、ニターッと笑った。

 いい人だと思っていたけど姉ちゃんと結婚するだけの事はあるのかも……
 なんか、皆が敵に見えてきた……


 逃げたい……


「逃げるなよ!」

 康介さんが俺の耳元で囁き、スタスタと去って行った。

 俺は康介さんの後ろ姿を見ながら、逃げられない事を実感した。


 でもまあせいぜい昼飯食って、二時間てとこだろう? 
 二時頃には開放されると、この時は、まだまだ、呑気に構えていた。



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