背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「ああ、悠麻さん。この間、お腹痛いって帰っちゃったから心配したのよ。由美、ホテルで一人で寂しかったんだから」

 俺の勝手な願いは届かなかったようだ。

 頼む、もう何もしゃべらないでくれ……


 どうして今夜に限って、集まってくるんだよ。


「ねえ、悠麻さん。私、お邪魔だった?」


 由美が訴えるように俺を見てくる


「そうみたいね」

 俺の代わりに答えたのは、千佳子だ。


「誰あなた? 気付かなかった」

 由美が、宣戦布告を行った。


 ああ、最悪だ……


 確かに、俺の行いの悪さだと思う。

 こうなるのは、バチが当たったんだろう。


 それでも俺は、千佳子も由美もどうでもよかった。

 彼女の気持ちだけが気になって仕方なかった。


 もう、帰ろうと思った時だ。
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