背中合わせからはじめましょう ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
取り合えず、この場は逃げた方がいい気がする。
「課長、また後で伺います」
そう言って、この場を収めようとしたのに……
「その必要は無い。美月は、僕の婚約者です」
ひえーー
この人、おかしな事言い出したよ。
「本当なのか? 湯之原さん?」
課長が問いただすように私を見る。
その横で、彼も私をじっと見る。
どうして、この二人に私が睨まれなきゃならないのよ。
うっーー
えいっ!
「ええ。内密にお願いします」
私は、頭を下げ、彼を引っ張りエレベーターに乗り込んだ。
もう、何が婚約者よ、三分で婚約破棄だ!
「どうして、あんな事言うのよ!」
エレベータの中に誰も居ない事をいいとに声を張り上げた。
「はあ? 困ってる様子だったから、助けてやったんだろ? 感謝して欲しいくらいだ」
彼はケロリとして言った。
「ま、まあ…… 助かったけど…… 婚約者なんて言わなくてもいいじゃない。ただでさえ変な噂が広がっているのに……」
私は深くため息をつきながら彼を睨みつけた。
「そう? なんか困る事があるのか? 俺は別に困らないけどな……」
彼は欠伸でもするような、気の抜けた表情で言った。
その姿にイラっとくる。
何も考えてないのが丸見えだ。
「そりゃそうでしょうね。綺麗なお姉さま方を巻くのには、いい話よね」
あれ、私はいったい何を言っているんだ……
自分でも、まだそんな事を気にしていたのだと驚いた。
「課長、また後で伺います」
そう言って、この場を収めようとしたのに……
「その必要は無い。美月は、僕の婚約者です」
ひえーー
この人、おかしな事言い出したよ。
「本当なのか? 湯之原さん?」
課長が問いただすように私を見る。
その横で、彼も私をじっと見る。
どうして、この二人に私が睨まれなきゃならないのよ。
うっーー
えいっ!
「ええ。内密にお願いします」
私は、頭を下げ、彼を引っ張りエレベーターに乗り込んだ。
もう、何が婚約者よ、三分で婚約破棄だ!
「どうして、あんな事言うのよ!」
エレベータの中に誰も居ない事をいいとに声を張り上げた。
「はあ? 困ってる様子だったから、助けてやったんだろ? 感謝して欲しいくらいだ」
彼はケロリとして言った。
「ま、まあ…… 助かったけど…… 婚約者なんて言わなくてもいいじゃない。ただでさえ変な噂が広がっているのに……」
私は深くため息をつきながら彼を睨みつけた。
「そう? なんか困る事があるのか? 俺は別に困らないけどな……」
彼は欠伸でもするような、気の抜けた表情で言った。
その姿にイラっとくる。
何も考えてないのが丸見えだ。
「そりゃそうでしょうね。綺麗なお姉さま方を巻くのには、いい話よね」
あれ、私はいったい何を言っているんだ……
自分でも、まだそんな事を気にしていたのだと驚いた。