背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 ガタガタと音がして、彼の寝室のドアが開いた。

 はい?

 確かに、確かに部屋から出てきたのは彼だが……

 なんか違う。
 ヨレてる……


「み、美月…… どうして?」


「どうしてって? グアムから帰って来たんだけど……」

「あっ。えっ? 本当に?」


 彼は、幽霊でも見るような目で私を見ている。


「帰ってきちゃいけなかったの?」


 ムッとして、部屋の中を見回す。


 私をぼーっと見ていた彼が、突然息を吹き返した。


「何だ! この部屋!」

 彼が声を上げた。


「こっちが聞きたいわよ!」


 慌てて、ごみ袋を取りに行く彼に向かって言った。

 私がグアムに行く前と、同じ部屋とは思えない状態だ。
 ペットボトルは散乱しているし、作り置きしておいた物は、食べたままで散らかっている。ソファーの上には、畳まれてない洋服が山積みになっている。


「うわーーっ」

 彼は、半分狂ったように、ごみを集め出した。
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