背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 うん?

 力強く抱きしめらてるのに、背中にすーっと冷たい風が入ってきた。

 ワンピースの背中のファスナーが下りた。いや、下ろされた。

 ストン……

 ほんの一瞬だ、彼の身体がふっと離れたと同時に、ワンピースが床に落ちた。


 気のせいかと思うほど、彼は何もなかったように私を抱きしめている。
 確認できないが、私は下着姿だと思う。


 プチッ

 えっ?


 今度は、確実に彼が離れた
 同時にブラジャーが床に落ちた……


 体は離れても彼の手は私の腕を掴んでいて、彼の目には私の胸が映っている。


「きゃーー 何やってんのよー!」


 胸を隠そうと腕に力を入れるが、彼に掴まれていて動かない。


「綺麗だ……」

 私の身体を見ている彼の目の方が色っぽい……


「ちょ、ちょっと見ないでよ。もしかして、身体だけが好きなんじゃ……」


 嫌な、不安が込み上げてくる。
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