背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「全ておじい様が企んだ事なのね」

「おいおい、人聞きの悪い事言わないでくれよ。美月だって悠麻君の事、気に入っただろ? 悠麻君は美月の事が嫌かい?」

 おじい様は、私と彼を交互に見た。
 少々、ニヤニヤしている。


「そういう問題じゃないでしょ」

 私が言いかけると、彼が言葉をかぶせて来た。

 
「はい。僕たちの完敗です。会長にはかないません。僕は、彼女と出会えて本当に良かった。これからは、二人でちゃんと向きって行くので、自分たちの意志で進ませてください」


 なにこれ、胸の中がきゅーんとなって泣きそうだ。


「ああ。勿論だ」

 おじい様は目尻をさげると、声を出して笑いだした。こんな嬉しそうなおじい様の顔を見たのは始めてかもしれない。

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