背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「何で、泣くんだよ!」


 彼の腕を力いっぱい払うと、ホテルの部屋のドアを開けた。


 彼が後からついてくるのが分かった。

 エレベーターの前で彼と並んだ。
 なぜか、同時に二台のエレベーターの扉が開いた。

 彼が、私にエレベーターに乗るよう促したが、反対のエレベーターに乗り込み、扉を閉じた。
 ロビーのある階数のボタンを押す。

 チンッ

 エレベータの扉が開いた。


 彼の乗ってきたエレベーターも同時に開いた。


 エレベーターを降りると、当然彼も降りる。
 彼と向かい合ってしまった。


 「とにかく、送っていくから待っててくれ」


 フロントへと歩いて行く彼に背をむけ、私はホテルのエントランスへと向かった。

 これで終わり。

 私は、丁度ドアの開いたタクシーに乗り込んだ。
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