きみは綺麗だった
「康太、今日ラーメン食べに行かん?」

色々相談したいこともあるし、
莉子ちゃんともっと仲良くなれる秘訣も知りたいし…


[んー、まあ今日は、'康くーーん!'

.

「あ、」

『来週テストの数学教えてほしい!!』

お願い、と康太の肩を揺さぶる莉子ちゃん

……胸がチクッと痛くなった。




俺の方が康太よりも成績いいんやけどなぁ…


[数学なら大橋に教えてもらえよ。]

康太の言葉に、莉子ちゃんは俺の方を見て目をきらきら輝かせていた。

『大橋くん、本当にいいの!?』

「え?…あ、もちろん!!」

『嬉しい、助かる〜』

'数学ノートとファイル、取ってくるね'
と手をヒラヒラさせて教室を出ていった。


「康太…ありがとう。」

[てことで、俺はお邪魔やから帰るな。]


バイバイと手を振る俺の方を康太は一切見向きもせず帰って行った。


それにしても今から莉子ちゃんと2人で勉強会……

緊張して、ちゃんと教えれるか不安でしかない。


「頑張るぞ〜」


康太がくれたチャンス
絶対無駄にはしやんぞ。


.
.
.




[……大橋頑張れよ。]


.
.
.



ごめんな康太


あほで、自分勝手で、友達想いじゃなくて。








…ごめん。

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