きみは綺麗だった
.
.
次の日

俺は昨日モヤモヤと悲しさで全然寝れんかった。


「ほぼオールなんやけど…」


康太のことを話す昨日の莉子ちゃん


やっぱり康太のこと……


「あかんあかん、いらん事考えたらあかん!!」


教室の前で深呼吸をして、笑顔で扉を開けた。


「おはよ〜康っ、」




『あ、おはよう大橋くん』

[よ。]

『今日、康太とたまたま電車が同じで一緒に登校してきたんよ。』

「あ、そうなんや!!」


康太と莉子ちゃん

朝から二人で一緒におったんや。



『じゃあ私そろそろ自分の席戻るね。』

[おう。]


「……」


[……]



康太は去っていく莉子ちゃんの後ろ姿を当分見つめているのがわかった。



その目は、昨日の彼女と同じように見えて、


その瞬間、俺の胸がぞわっと何かに包み込まれた気がした。




.
.


[大橋、今日こそラーメン行こう]


「え、いいけど。」


珍しい、康太から誘ってくるなんて。

いつもは誘っても断られる事が多いのに。



[…]

「…」


でも今日は何かちょっと様子が変というか、俺も康太も話がはずまない。



「あ、この店可愛い。」


たまたま通りがかったアクセサリーショップ

こんな所にこんなオシャレなお店あったっけな。


[ちょっと入るか。]

康太と気になったのか、意外と乗り気に男子二人揃ってお店に入った。



'いらっしゃいませー'


周りにはうちの学校の生徒と見られる女子高生ばかり。

[さすがに居心地悪かったな。]

「間違いない。笑」



'何かお探しですか?'


女子高生だらけで困惑している自分たちを見かねたのか店員さんが声を掛けてきた。



'彼女さんへのプレゼントはこちらのネックレスが凄く有名ですよ'


そう言って店員さんが見せてくれたのは
トップに小さな貝殻が付いたネックレス。


'ここの海の近くで取れた物で、観光客の方が彼女に、て買って帰る人も多いんですよ。'


「へえー」



俺は、莉子ちゃんの事を考えていた。

彼女はこの間、話していた。


私はこの地元からは絶対出ない、て。


海も綺麗で、人も皆優しくて、大好きだから、て。


俺はそう語る莉子ちゃんから

本当にこの子はいい子なんだと感じた。




その時からか、




俺は彼女のことを、



目で追うようになっていた__




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