約束 ~幼馴染みの甘い執愛~
「あ、お風呂上がり……だった、から」
愛梨はそこまで胸が大きい訳ではないので、厚さのあるルームウェアを着てしまえばその下がどうなっているかなど、一見して分かるわけがない。身体に触れたら下着の感覚がなかったので、雪哉も驚いたのだろう。
普段からすごくだらしない生活を送っていると思われたかも、と恥ずかしくなってしまう。
「……ほんと、もう」
1人でいたたまれなくなっていると、雪哉に耳元で溜息をつかれてしまった。呆れられたと思って、言い訳を紡ごうとした瞬間に雪哉の両手が同時に動いて愛梨のルームウェアの前ボタンを外し始めた。
「や、ちょ…! ユキ…!」
脱がされそうになっている事に気付き、再び拒否の声を上げる。だが焦ってその手を振り解こうと思っても、男の雪哉の力には適わず、ボタンはどんどん外されていってしまう。
「だめ……! 私、小さいから……!」
「大きさなんかどうでもいい。ちゃんと全部見せて」
囁かれるのと同時に、最後のボタンが外されルームウェアの前部がハラリと肌蹴られてしまう。誰にも見られたことがない場所を直に見られて、かぁ、と全身が熱を持つ気がしたが、隠すよりも再び唇を塞がれる方が早かった。
何度も口付けを重ね合い、離れる度に何度も甘い囁きを受ける。
「愛梨はもう俺のものだから」
もう誰にも渡さない。
全部を知りたい。
雪哉の甘く深い言霊が全身に染みわたるように響く。
共鳴して、反響して、混濁する意識と混ざり合いながら、愛梨の全ては雪哉の優しくて激しい執愛に絡めとられた。