約束 ~幼馴染みの甘い執愛~
リンクした話が本当に整合しているのか確認してみる。けれど自分でもあり得ない確認をしていると思えば、ついつい声も小さくなる。母が大興奮するほど美男子になった雪哉が、自分の事を好きなのかもしれないだなんて。
そんな冗談みたいな話があるわけない、と心のどこかで思っていた。大人になった自分たちには、幼い頃のささやかな夢物語に執着する理由などないと思っていた。
だから雪哉の言葉も行動も感情表現も、愛梨には全てが不可解だった。けれどもし、これが雪哉に想われている結果なのだとしたら。辻褄が合うような。
「は…? 何言い出すのかと思ったら、そもそも、そこから?」
なんて考えていると、呆れたような雪哉の声が耳に届いた。そして勘違いだと思っていた確認事項を、あまりにもあっさりと肯定されてしまう。
「俺は愛梨が好きだよ。昔から、今もずっと……愛梨だけ」
今更何を言っているのかと雪哉の目線が愛梨を射止める。艶を帯びた視線に射抜かれてしまう。
視線が絡むと心臓がどきりと大きな音をたてた。びっくりして身体が動きを失ったせいで、一方的に話し続ける雪哉の言葉を止めることさえ適わない。
「だから愛梨に、彼氏よりも俺の方が好きって言わせるから。絶対に」
思考が停止して硬直した愛梨を余所に、雪哉は大真面目な顔をして再び愛の告白を囁いた。鮮やかな手口を重ねられ、拒否すらさせないと眼光が物語っている。
「あぁ、でも安心して。彼氏に浮気だって勘違いされたり、責められるようなことはしないから。それで愛梨に嫌われたくないし」