サッカーボールと先輩とアタシ
「なぁ、お前さー。」
聞いてみるか。
「マネジャーの事…どう思ってる??」
真っ直ぐ聞かなきゃ、真っ直ぐ返事はかえってこない。
「どう、って…。」
分りやすいかも、コイツ。
「他の女と接し方全然違うし。
練習中、マネジャーの事ばっか見てる気がした。」
「………。」
ヒロは頭を掻く。
「…正直言うと、自分でも解らないんだ。」
ヒロらしい答え。
「可愛いし、一生懸命マネジャーも頑張ってくれてる。
他の女の子とか、違うタイプ、だよな。」
「…そうだよな。」
そうか。
まだ気付いてないのか。
好きは、そこから始まってる事に。
彼女の中から、前の男の存在が消えない限り、俺達は進む事もできない。