サッカーボールと先輩とアタシ
マネジャーに気持ちを伝えた、次の日の夜――。
ちょっと走ってくるわ、とヒロは出て行った。
いつもは一緒に行くのにやっぱその日は、そんな気分じゃなかった。
『私の事、何も知らないのに』
『もう構わないで下さい』
かなり…キツかった。
気晴らしに中庭に出てボールを蹴る。
しばらくしてヒロが戻って来た。
「ひとりで何してんの??
…なんかあった??」
ひとりボールを蹴る俺の側に来る。
自分に鈍感なのに、人には敏感なヤツなんだ。
俺が告白したとは知ってか知らぬかマネジャーの話しを始めた。
「そこの公園に万桜ちゃんいたよ。」
その時身体が反応したのを今でも覚えている。
「………で。」
「あーなんか、まぁその…。」
滑舌悪い。