サッカーボールと先輩とアタシ
放課後アタシは先生に部室の鍵を借りた。
今日は練習は休みなので、気になっていた部室の掃除をする事にした。
一人で部屋にいるよりはマシ。
ドアを空けっばなしにして、中へ入る。
上の窓も開けて、空気を流したいな。
掃除用具の中から、ホウキを出してその長い棒で、なんとか鍵は開けた。
何か乗れる物…。
見回すと、丸いパイプイスがあった。
それに上がって手を伸ばすが、窓にはまだまだ届かない。
「!!」
顔の横から、手が伸びてきて窓を開けた。
突然の事にビックリして振り向くと、背の高いヒロ先輩がいた。
「何してるの??」
「!!」
爽やかに聞かれたが―――イスがぐらついてバランスを崩した。
「あぶな―!!」
ヒロ先輩が差し出した手も空しく、アタシは見事にお尻から床に落ちてしまった。
「だ、大丈夫??悪い急に、驚かせちゃって。」
は、恥かしい…。
アタシは急いで立ち上がって、お尻をポンポンと叩いた。
「大丈夫です…。」
「ホント、ごめん。」
お尻も痛かったが、恥ずかしさの方が数倍上だった。
「今日、練習休みだよ。」
「はい、掃除しようと思って。」
「マジで?!ここの??」
先輩はひどく驚いていた。