サッカーボールと先輩とアタシ
「何か言いなよ!!」
右肩をドン、と押され壁に背中がぶつかる。
―――その言葉は、亜子ちゃんの言葉にも聞こえた。
亜子ちゃん…。
「もームカつく!!」
距離が縮まる。
アタシがマネージャーでいる事に、嫌悪感を抱いている人達。
アタシは……どうしたらいいの??
「旬磨にちょっかい出したら許さない!!」
「ヒロの周りチョロチョロしないでよ!!」
何を言っているか、もう分からない。
ただただ、アタシの心の中は寒くなっていった。
もう嫌だ、こんなの……。
硬く目をつぶり、涙を堪えた。
―――次の瞬間、襟元を掴まれ、
叩かれる!と思った瞬間に―――。
頬に痛みが走った。