サッカーボールと先輩とアタシ
アタシは福山先生に事情を話し、練習が終わるまでに戻ります、と伝えて玄関へ向った。
真新しい上履きをクツ箱へ入れ、玄関を出る。
「阪下さん。」
そこには知らない男子が立っている。
「…はい?!」
なんだろ、急いでいるのに。
「僕…三年の三浦(みうら)です。明日、僕にクッキー下さい!!」
……??
身体が細く、少し吊り上がった目。
でもキレイな顔してる。
「あの…。」
何言ってるのかな??
「マネージャー!!」
振り向くと練習着の長浜くんがいた。
「すいません、アタシ。」
三浦と名乗った人に頭を下げ、長浜くんの所へ逃げるように走った。