サッカーボールと先輩とアタシ
一大イベント!?―旬磨―
グランドへ向かおうと玄関を出ると、万桜が男と話していた。
俺もヒロに影響されてか、いつの間にか『万桜』と呼んでいた。
確か三年の…。
「マネージャー!!」
今度は長浜。
万桜は長浜に向って走っている。
なんだ??
何か話して、万桜はグランドじゃなく、校門を出て行った。
おいおい、どこ行くんだ??
練習は??
歩き出した長浜に追い付き声を掛ける。
「マネージャーは??」
「あ、キャプテンお疲れ様です。」
頭を下げる。
「マネージャー、明日の家庭科の材料を買いに行くそうです。練習が終わるまでには戻るそうです。」
「そうなんだ。」
「で、アイツは??」
さっき万桜と話していた三年生を指差した。
「明日俺にクッキー下さい、って言われたらしいです。
何言っているのか分んない、ってマネージャー言ってました。完全に……気付いてないですよね。」
長浜は笑う。
クッキー??
「なのに、僕のお陰で助かった、って、走って行っちゃいました。」
告白って…万桜にだよな??
なのに気付いてないのか。
…アイツらしい。