サッカーボールと先輩とアタシ
二つとも、同じ模様の袋だが、張ってあるシールの色が違う。
「??」
俺達はそれぞれ受け取った。
「何??開けていい??」
ヒロはもう開けようとする。
「ダメです!!…あの、部屋で開けて下さい。」
慌てた姿に、笑いが込み上げる。
「アタシの好みで…気に入ってもらえたら、いいんですけど…。」
「ありがとう。」
素直に嬉しかった。
「ありがとう、万桜。」
きっとヒロも。
「じゃあアタシ失礼します。走って帰るので、大丈夫です!!
本当に今日はすみませんでした!!お疲れ様でした!!」
そういい終わると、万桜は凄い勢いで走り出した。
「おい、送ってく!!」
俺の言葉に足を止める事なく、
「大丈夫でーす。」
と、その足は止まる事はない。
ヒロは笑い出す。
「マネジャー、明日からジャンパー持って来いよー!!寒いからな!!」
俺は大声を出す。
「はーい!!」
彼女の姿は小さくなっていった。