サッカーボールと先輩とアタシ


「何かな??」

ヒロは袋を振ると、ジャラジャラと音がした。

「開けてみようか!!」

ってもう開けてるし。

俺も、袋を開ける。

「へぇ~。」

ネックレスだった。

手の中で街灯の灯で銀色の光が反射していた。

俺のは、羽をかたどった飾りが付いたシルバーのチェーン。

ヒロはクロスが付いた、やはりシルバーのネックレス。

「俺らのイメージ…かな??」

二人で顔を見合わせる。

ヒロはフっと鼻で笑った。

「大事にしないとな。」

そう言って、また袋にしまう。

「そうだな。」

俺もポケットに入れた。

俺達はそのまま、寮へ入る。

少し感じた寒さが、ネックレスが入ったポケットから消えていくような感じがした。

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