サッカーボールと先輩とアタシ
…思い切って言おう。
「あの…アタシ、もう行きます…。」
「あ、そう…。」
彼は顔を小刻みに動かした。
推定、イスに座って5分。
アイスティーをほぼ一気飲みし会話などする余裕は……アタシにない。
「また時間あったら、寄って。」
低くなった声。
でもまだ待ってる女の子いるみたいだし。
そそくさと立ち上がる。
「さよなら。」
頭を下げさっき入ったドアへ一直線に向った。
足が廊下へと急がせる。
「ありがとうございます!!500円頂きます!!」
財布から500円玉を出し、その人に渡す。
そしてやっと教室から出た時―――。
「なあっ…!!」
誰かが私の手首を掴む。