サッカーボールと先輩とアタシ


「ありがとう!!」

「サンキュー、マネジャー!!」

全員に渡し終え、みんなは口々にお礼を言う。

「あの、味は保証できませんが…もし、お腹壊したら連絡して下さい。」

マネージャーの一言で、みんな大爆笑。

「じゃあ、電話番号教えてよ。」

「えっ!?」

マジで万桜の表情が固まる。

ったく、可愛すぎる。

「俺のは~??」

コーチまでやって来る。

「あ、はい、コーチ。」

「サンキュー!!」

コーチは受け取り、

「マネージャーへの個人連絡は、俺を通すように。」

また笑いがおきた。

「ちぇっ、マネージャーの番号、ゲットできると思ったのに!!」

そいつは、本気で悔しがっていた。

心優しい万桜。

万桜の心遣いで、みんなこんなに幸せになる。

俺だけ特別に渡された訳じゃなかった。

大勢の中の一人なんだろうが、嬉しかった。

旬磨も満足そうに手の中の宝物を見つめている。


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