サッカーボールと先輩とアタシ
まだ目が腫れている。
昨日の潤くんからのメールを、何度も何度も読み返した。
返事は送らなかった。
なんて、返事を送信したらいいのか解らなかったから。
「おはよ~。」
バス停の前に部員が集まって来る。
「おはよう、マネージャー。」
いつもと変わらないヒロ先輩。
「おはよう。」
旬磨先輩もまだ眠そうな顔。
「目、赤いんじゃない。」
慌てて目を隠すアタシ。
「……実は寝不足で。」
「あ、俺も。」
旬磨先輩はあくびをする。
「気合い、足りないな!!」
ダウンのポケットに手を入れたまま、ヒロ先輩は旬磨先輩に体当たりする。
「ヒロ、テンション高過ぎ。」
首をコキコキ鳴らした。