サッカーボールと先輩とアタシ


延長後半。

旬磨先輩のシュートが相手ゴールに突き刺さる。

「やった~!!!」

立ち上がり、両手を上げた。

そしてベンチのみんなとハイタッチ。

このまま、このまま…。

ピピ~~~!!!

ホイッスルが響いた。

「やったぁぁ!!」

胸の前で合わせていた両手が震えた。

声が出ない。

閉じた瞳から、涙が溢れた。

人目も気にせず、アタシは泣いていた。

このチームで、みんなと国立へ行けるんだ。

「マネージャー!!」

コーチがアタシの肩をポンポンと叩いた。

「ありがとうな、マネージャー。」

アタシがブルブルと横に首を振ると、頭をポンポンとする。

「やったぞ~!!」

走って来るイレブンが見えた。

みんな、笑顔が最高に輝いていた。

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