サッカーボールと先輩とアタシ
決断
…話って何かな。
タクシーの中、考える。
隣にいる潤くん。
夢じゃない。
「急にビックリしたろ。」
「うん、昨日のメールはこっちに来るなんてなかったし。」
「…万桜、痩せたみたいだな。」
アタシの手を握る。
「相変わらず冷たいな。」
そう言って、ギュッと握ってくれる。
話って何??なんて聞けない。
決定的に別れを告げられるか…、ううん、会いに来てくれたんだよね。
期待していいのかな??
潤くんも同じ気持ちでいてくれたのかな??
潤くんが泊っているビジネスホテルに着く。
「入って。」
ベッドとテーブルテレビしかない狭い部屋。
「万桜。」
潤くんがアタシを抱き締めた。
アタシも胸に顔をうずめる。
優しいキス。
そしてアタシ達は何度も身体を重ねた。
あの頃のように。
何度も何度も。
アタシの身体は覚えていた。
潤くんを。