サッカーボールと先輩とアタシ
・
:
:
「……お、まお。」
その声で目が覚めた。
潤くん…??
「潤くん!!」
飛び起きた。
「おはよう。ごめんな、こんな早くに。」
隣りでまだ横になっているのは、潤くん…だよね。
ハッキリしない頭をフル回転させる。
…そうだ、昨日潤くんと……。
いつの間にか眠っちゃってみたい。
潤くんは上半身を起こし、顔にかかったアタシの髪を直してくれる。
昔もあったよね、こういう事。
「朝イチの飛行機で帰らなきゃいけないんだ。」
「そ、なんだ。」
帰っちゃうんだ。
そうだよね。
「先、シャワー使っていいよ。」
「ありがとう。」
いつも潤くんは、そうしてくれていた。
『女は準備に時間かかるからな』
って。
幸せだった。
ねぇ潤くん、アタシいいんだよね、自信持って。
暑いシャワーが心地良かった。
溢れる想いがこぼれ落ちそうなくらい、潤くんを感じられた。
重ねた唇、握りあった手。
潤くんはアタシを求めてくれた。
これが答えだよね、潤くん。