サッカーボールと先輩とアタシ
アタシの気持ち
明日からの全国大会を前に、我が聖茄学園サッカー部はビジネスホテルにいる。
開会式が早い為、前日からの宿泊になった。
みんな緊張しているかと思っていたが…キャプテンの部屋で『ミーティング』と称した『雑談会』が開かれていた。
コーチとアタシ以外は四人部屋で、部屋の中はシングルベッドが二つ、布団が二組み用意されている。
この人数がこの部屋で…熱気で暑いくらいだ。
コーチがどこからか入手してきた、初戦の相手のビデオを見た。
あっという間だったな。
アタシがこの聖茄学園サッカー部のマネージャーになって、今日まで。
暖かく迎え入れてくれたみんなにとても感謝していた。
不思議と潤くんの存在はアタシの中から、段々消えていくのが分かった。
「マネージャー!!ジュースこぼしちゃった!!」
「はいはい、待って下さい!!」
忙しさの中にも充実感があった。