サッカーボールと先輩とアタシ
かなりビックリした顔をして、万桜は目を泳がせる。
…ホント変わったよな、万桜。
アイツに会ってから、完全に別れたと言ったあの日から。
今まで深くは入り込んでこなかった俺達の中に、少しずつ近付いてきた。
態度も話し方も、以前とは違う。
見た事もない表情を見せ、俺をドキドキさせるんだ。
……そういえば、アイツ。
潤ってヤツ、妙に大人びた男だったな。
男の俺が言うのもなんだか、色気がある艶(つや)っぽい雰囲気だった。
ぼんやりアイツの事を思い出していると、万桜が口を開く。
「そうですね。
でもアクション映画は…苦手です。」