サッカーボールと先輩とアタシ


いったんスタンドから出て、会場の外でみんなを待っている。

開会式も終り、次々と出て来る人達。

みんなとても立派で感動していた。

今日は試合はないが、午後から近くのグランドで少し練習をする予定だ。

この後は、試合を見学する。

「お疲れ様です!!」

長浜くんが大きな声で叫んだ。

みんなが出て来た。

堂々と、胸をはって。

その表情は自信に溢れて輝いていた。

アタシもみんなと一緒に駆け寄った。

「お疲れ様でした!!」

キャプテンに頭を下げた。

「おう!!」

恥ずかしそうに答えるキャプテン。

きっと緊張していたに違いない。

「ま~お~。」

「!?」

アタシを呼ぶ声。

この声は………

「咲っ!!」

振り向くと、咲が走って来る!!

大きく手を振りながら。

アタシも走る。

咲に向って。

離れても友達。

大事な親友。

会いたかったよ~咲。

伸ばした手が咲に触れ、しっかりと抱き合った。

周りなど、目に入らなかった。

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