サッカーボールと先輩とアタシ
「万桜~。」
「咲~。」
感動の再会を果たした。
「会いたかった~。」
咲は少し涙声だ。
「アタシも…会いたかったよ~。」
しっかりと抱き合った後、アタシ達は体を離した。
でも両手は繋いだまま。
転校して独りぼっちで不安だった時、いつも咲が励ましてくれた。
『私も万桜の学校に転校する!!』って言ってくれた時は、すごくすごく嬉しかった。
アタシの愛情は変わってしまった。
でも友情は変わらない。
「万桜の顔見て安心したよ!!」
ニッコリと笑う咲。
彼女は同じ年なのに『お姉さん』のような存在だ。
しっかりしていて面倒見がいい。
「万桜!!」
そして、三年の女子マネージャーの菜々(なな)先輩。
二年の女子マネージャーの和沙(かずさ)先輩。
アタシがいた時はマネージャーは四人で、とても仲良くしてくれた。
「万桜がいなくて寂しいよ。」
と菜々先輩。
「本当だよ。私達もメンバーも。」
和沙先輩は肩を優しく撫でる。
「一番は潤だけどね。」
そして、そう続ける。
「万桜ちゃーん!!」
東高校のメンバー!!
「元気だったか??」
「マネージャーやってるんだって!!」
みんながアタシを囲んで言葉を掛けてくれる。
…アタシって幸せ者だ。