サッカーボールと先輩とアタシ
「マネージャー!!」
副キャプテンのヒロ先輩が走って来た。
「はい。」
背の高い先輩を見上げる。
「コーチと話したけど、東高校の試合見に行っておいで。」
「えっ!?」
思いがけない言葉に驚いてしまった。
「バスの運転手さんに、連絡したから。」
アタシが抱えていたボールを取る。
「気になるだろ??行っておいでよ。」
でも…。
「俺達なら大丈夫だって。」
優しい笑顔。
「さぁ!!早く!!」
先輩はアタシの頭をポンと触る。
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…。」
頭を下げ、バスへと走った。
「終わったら俺達も行くから~!!電話する~!!」
先輩の声を背に、気持ちはもう競技場にあった。