サッカーボールと先輩とアタシ
未練
携帯の着メロが部屋に響く。
「はい。」
潤くん…だ。
「今さ、万桜がいるホテルの前にいるんだ。出て来れるか??」
いつもの声だった。
「今行きます。」
ジャンパーを慌てて着て、部屋を出た。
わざわざ来てくれたのかな。
足、大丈夫かな??
部屋の鍵を握りしめる。
潤くんは、ガードレールに寄り掛かっていた。
「よう。」
アタシを見つけて、軽く手を上げる。
「潤くん足…。」
近寄ったアタシの手を握った。
「大丈夫だよ。心配かけてごめんな。」
いつもの優しい潤くん。