サッカーボールと先輩とアタシ
旬磨先輩が走って来た。
アタシ達の所まで。
「こんばんは。すみません、こんな時間までマネージャーをお借りして。」
ほほ笑みながら潤くんはそう言った。
「あ、いや、こんばんは…。」
ヒョコ、っと頭を下げる旬磨先輩。
「黙って出掛けるなよ、心配しただろ。もう9時だし。」
いつもの先輩だった。
「…申し訳ありませんでした。」
うつむくアタシに、
「行こうか。」
に優しく声を掛ける。
「送ってもらって、ありがとうございました。今日はおめでとうございます。」
そう潤くんに言うと、先輩は来た道を戻った。
「おやすみなさい。気をつけて。」
アタシは振り返えらず後を追った。