サッカーボールと先輩とアタシ


ピピッ…ピピッ…

ん…。

ピピピピピピ~

…携帯の…アラーム??

ポケットから取り出し、止めた。

6時だ。

俺…変な格好で寝ちゃった??

「…先輩??」

「………。」

あ??

万…桜??

万桜!?

ガバッと体を起こした。

俺は上半身ベッドに突っ伏したまま寝てしまったらしい。

「やばっ。」

万桜が寝たら戻るつもりだったのに、俺も疲れていたのかも。

爆睡してた??

「具合、どう??」

動揺を消すように、声を掛けた。

万桜は体を起こし、ぼーっとしていた。

「はい…。」

はっきり目が覚めた俺と対照的に、まだ状況が把握できていないらしい。

「顔色良くなったなぁ。」

オデコの冷却シートをはがし、手を当ててみる。

良かった、もう熱くない。

「熱も下がったみたいだな。」

安心した。

「ちょっと待ってて。」

冷蔵庫から冷たい水のペットボトルを出し、キャップを取って渡す。

「…ありがとうございます。」

喉が渇いていたのか、半分ほど一気に飲んだ。

「もしかして…、ずっと居てくれたんですか??」
ずっと居てって…まぁ、結果的にはそう言う事になるだろう。

「…っていうか、俺もいつの間にか寝ちゃったみたいで。」

< 228 / 239 >

この作品をシェア

pagetop