サッカーボールと先輩とアタシ
弱い俺と、強くなった万桜。
隣りにいる愛しい存在を、自ら手放してしまった。
あんなに愛しあって、笑いあって、永遠に続くと疑わなかった幸せな日々を。
苦しめて、泣かせてしまった。
「万桜、ごめんな。」
「………??」
「その…優勝出来なくてさ。」
本当に苦しめてごめんな。
誰も知る人がいない所に引っ越した万桜の方が不安で仕方なかったはずなのに。
俺が支えてあげられなくて。
信じられなくて。
「そんな事ないよ。
潤くんが一番頑張ってきた事はアタシが…みんなが知ってるよ。
潤くん輝いてたよ。」
…そんな事言うなよ。
俺は弱い男なのに。
いつもそう言って、自信と勇気をくれたよな。
離れて初めて気付く事があるって…本当だったんだな。
人目も気にせず、涙が溢れた。