サッカーボールと先輩とアタシ


4階には、色んな教室があった。

図書室、放送室、コンピュータルーム…。

あった、調理室!!

ガラガラとドアを開ける。

「万桜ちゃん、遅~い!!」

亜子ちゃんが駆け寄って来た。

「ごめんね!!すぐ準備するね!!」

カバンの中からエプロンを取り出す。

「心配したんだよ~!!迷子になった??」

亜子ちゃんは笑顔を見せ、C組の人達がいる所まで歩く。

他のクラスの子達もいて、調理室はざわついていた。

フランクフルトを焼いているクラス。

タコ焼きを作っているクラス。

圧倒的に男子が多い。

女子が少ない学園では、男子がメインになってしまうのはしょうがない。

「全員揃いましたね、では11時半からの販売に向けて頑張りましょう。」

仕切っているのは、クラス委員長の長浜(ながはま)君。

銀縁のメガネを掛けて、真面目そうな印象だけど、話してみるとかなり面白い。

「遅れてすみません…。」

「大丈夫だよ、遅れた分、阪下さんには頑張ってもらうから!!」

笑いが起こった。


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