サッカーボールと先輩とアタシ


「一息ついた事だし、休憩しようか!」

一時間は経っただろうか、長浜くんの一言で休憩時間に入る。

アタシ達は『詰め』作業をしていた机に集まり、イスを出してきて座った。

「結構大変だったね~。疲れた~。」

亜子ちゃんは机に伏せる。

「ホント~。」

「俺、くたくた!!」

アタシも、普段使わないようなトコロが痛い。

「おう、ご苦労さん!!」

声が聞こえた方から、担任の福山先生が来た。

「焼きそば、うまい!!って大評判だぞ~!!」

とても機嫌が良い。

「ほら、差し入れ!!」

先生はビニール袋を机にドサッと置く。

「やったラッキー!!」

みんな遠慮せずにその袋から好きな飲み物を出す。

「いただきま~す。」

……もうみんな飲んでるし。

アタシもそういえば、ノド渇いたな。

「ほら、阪下も。」

福山先生は緑茶をアタシの前に置く。

「あ、ありがとうございます。いただきます。」

手を伸ばした。

「今日は少し寒いから、出来たての焼きそば売れまくってだぞ。」


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